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アトロピン低濃度点眼薬(マイオピン Myopine)近視進行抑制

1日1回点眼することで、近視の進行を遅らせることができる点眼薬です。(眼軸長の進展の抑制)

  • 子供の近視の割合が非常に増えています。

  • 子どもの近視は、眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。

  • 一度眼軸長が伸びてしまう戻ることありません
  • 子供の近視は、年齢が低いほど進行が速いので、近視が低年齢で発症すると、強度近視になるリスクが増加します。

  • 近視が進行で眼軸長が伸びると、網膜が薄く引き伸ばされてしまうため、網膜剥離、緑内障、近視性黄斑変性などの重篤な視力障害や失明の危険性を増大させる可能性があります。

 

小さい頃からの近視進行抑制治療の重要性が注目されるようになっています。

子供の視力 近視治療(本HP内)

 

屋外活動時間

  •  1日2時間の屋外活動が近視進行抑制に有効なことがわかってきました。
         両親とも近視でも、近くでの近業作業時間が長くなっても、近視のリスクは1日2時間の屋外活動で低下できることになります。

明るさ1000ルクス以上の光を週11時間以上浴びた子どもは、近視になりにくいことが分かったのです。

台湾では、体育の授業を週150分、屋外で行うことを義務づけ、そのほかの授業なども屋外での実施を推奨して、1000ルクス、1日2時間を目標に掲げています。

オーストラリアでは、子どもたちは昼食を外で食べなければなりません。(NHK クローズアップ現代近視の常識が変わる)

 アトロピン低濃度点眼薬が選ばれる理由とは?

  •  近視予防になる屋外活動の時間が子供に十分に取れなくても、対策がないわけではありません。
     タワーマンションが多く、近視も多いシンガポールでは、低濃度アトロピン点眼による近視進行予防の良好な結果の報告があります。

  •  低濃度アトロピンは、近視を治療できることが証明されたシンガポールの点眼薬です。(日本での薬機法の承認はありません。)

  •  アトロピン低濃度点眼薬は、超低濃度のアトロピンを点眼することにより、近視の進行スピードを効果的に抑える可能性と同時にアトロピン1%点眼薬のような不快な副作用(まぶしさと強い光による不快感や目の痛み 近くの物がぼやけて見える など)を回避します。
  •  近視進行抑制です。抑制は、近視の進行を完全に止めるのではありません。近視の進行を遅らせます。
  •  近視矯正効果はありません。近視矯正効果のあるオルソケラトロジーとの大きな違いがあります。
  • 国内においてはアトロピン低濃度の近視進行抑制は、薬機法の承認は得ていません。

 アトロピンは治療や検査で通常使われている1%のままでは、中止後に激しいリバウンドが起きて近視が進行してしまいます。
 
そこで、アトロピンの3つの低用量の有効性と副作用を比較:0.5%、0.1%、および0.01%。

アトロピン0.01%は、0.1%および0.5%のアトロピンと比較して、副作用が最小限で、近視の進行を抑制する有効性を保持 (シンガポール国立眼科センター)

・Chia A, Chua WH, Cheung YB, Wong WL, Lingham A, Fong A, Tan D. Atropine for the treatment of childhood myopia: safety and efficacy of 0.5%, 0.1%, and 0.01% doses (Atropine for the Treatment of Myopia 2)(小児近視治療用アトロピンについて、アトロピン0.5%、0.1%、及び0.01%を点眼した場合の安全性及び効能(近視進行度2の治療にアトロピン)). Ophthalmology. 2012 Feb; 119 (2) : 357 ‒ 54. 

5年以上にわたり、アトロピン0.01%点眼剤は、より高用量のアトロピンと比較して視力の副作用が少なく、近視の進行を遅らせるのに,より効果的(シンガポール国立眼科センター)

Five-Year Clinical Trial on Atropine for the Treatment of Myopia 2 Myopia Control with Atropine 0.01% Eyedrops

(デザイン 無作為二重盲検臨床試験。参加者 合計400人の子供が2:2:1の比率で両眼に1日1回0.5%、0.1%、または0.01%のアトロピン)

・オルソケラトロジーとアトロピン0.01%点眼液の併用

 0.01%アトロピン点眼液をオルソケラトロジー療法と併用する治療オプションが-1.00 ~-3.00Dの軽度近視では近視抑制に最適な治療オプションである可能性あることの、最近の発表があります。 

 「-1.00 ~-3.00Dの軽度近視においては、オルソケラトロジー単独治療の眼軸伸長の抑制効果が比較的弱く併用治療はより効果的でしたが、3.01~−6.00Dの中等度近視においては、オルソケラトロジー単独治療の抑制効果が充分に強く併用治療と同等であることが確認されました。」

 近視児童の眼軸伸長抑制、オルソケラトロジーと0.01%アトロピン点眼液併用療法の効果を実証  自治医大

Efficacy of combined orthokeratology and 0.01% atropine solution for slowing axial elongation in children with myopia: a 2-year randomised trial

 

・低濃度点眼の中での至適濃度について、2019年香港のLAMP(Low-Concentration Atropine for Myopia Progression ) Studyでは、0.05%、0.025%、0.01%のアトロピン点眼液では、0,05%が近視抑制に最適とされた

近視進行(LAMP)研究のための低濃度アトロピン 近視制御における0.05%,0.025%および0.01%アトロピン点眼薬の無作為化二重盲検プラセボ対照試験【JST・京大機械翻訳】

対象年齢

 原則として6歳以上の学童(小学生)から。12歳を超えての処方は、可能ですが、臨床的なデータがあるのは、開始時6~12歳を対象にしたものです。12歳以上はご相談ください。

(シンガポール国立眼科センターの低濃度(0.01%)のアトロピンを点眼に関する報告は6歳以上の12歳以下の学童を対象にしたものです。香港のLAMP試験は、4歳から12歳の小児438名を対象にしたものです。)

 

副作用

A 諸外国における安全性等に係る情報
シンガポール国立眼科センター(SNEC)のマイオピン(アトロピン0.01%)点眼薬を2年間継続した研究結果の安全性については、以下の報告がありました。

1. アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はない。
2. 白内障を形成するとの報告はない。
3. 眼圧に影響を与えない。
4. 点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はない。
5. 電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はない。

B 日本でも、6~12歳までの学童16名に0.01%のアトロピンを就寝前に2週間点眼させ全身・眼局所の副作用を調査した結果.重篤な全身・眼局所の副作用は認められなかったとする東京医科歯科大学、久喜総合病院の報告があります。

「低濃度アトロピン点眼の副作用は軽微で実生活に影響を与える程度ではなく,継続使用は可能と考えられた.」(日眼会誌119:812-816, 2015)

マイオピンは2年以上の使用が推奨されています。ただし、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。10年間以上の長期使用の安全性の確実なエビデンスの発表はありません。香港のLAMPスタディでは、点眼中止後に近視が進行するリバウンドについての測定は行われていません。
  • この薬の本来の作用により、一時的に瞳孔(黒目)が大きくなりまぶしく感じますが、数時間で元に戻ります。
  • 日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。
  • 目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えません。よって近見視力の低下にあまり影響を与えず、近用の眼鏡も不要と言われております。

  • 毎日必す就寝前に1滴点眼するだけの、非常に簡単な治療法になります。

  • 各容器(1本・5ml)は両眼用に1ヶ月間の使い切りになっております。

  • 本製品はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されています。
  • 医薬品副作用被害救済制度について 
    • 万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。(日本での薬機法の承認はありません。)

アトロピンの作用機序

 アトロピンで近視進行抑制される機序については、

 薬理作用が主体と考えられ,ムスカリン受容体拮抗薬が脈絡膜血流の増加を促し,脈絡膜を肥厚させることで眼軸長を短縮させ,そのことが近視進行に抑制的に働いている可能性がある 」( ATOM-J(低濃度アトロピンによる近視研究京都府立医科大学眼科 稗田 牧 視覚の科学 第 37 巻第 4 号)とされていますが、

 詳しい機序は明らかになっていません。

 マイオピン費用

検査費    2,200円(税込)
アトロピン0,01%  1本 3,300円(税込)
アトロピン0,025% 1本 3,800円(税込)

                

マイオピン(Myopine アトロピン0.01%または0,025%)点眼薬の処方は、最初は1か月分ですが、1か月後は一度に3か月分3本処方で、検査も3か月ごとの定期検査にすることが、経過とご希望により可能です。

一度に3か月分3本処方の場合の検査費込みの費用は、 

アトロピン0,01%  12,100円(税込)
アトロピン0,025%   13,600円(税込)

です。

☆当院では、保険診療と自由診療との「混合診療の禁止」に鑑み、自由診療でのマイオピンの処方は、近視に関して保険診療や子供医療費助成制度を利用されて受診された当日には行いませんので、ご了解ください。

処方の流れ

マイオピン問診票

   (印刷してご持参いただくと、受付がよりスムーズになります)

STEP 1 検査と診察
お子様の視力や目の状態などを検査・診察します。

STEP 2 処方
診療後、適応があればマイオピン点眼薬を処方します。初回は一本の処方となります。

STEP 3 1か月後の検査と診察、処方(来院)
初回は、1か月後に検査、診察のうえ、最大3本(3か月分)の処方になります。

STEP 4 3か月毎の検査と診察と処方(来院)
処方後は原則として、3か月毎に検査、診察のため受診いただき、最大3本(3か月分)の処方になります。

  • お問い合わせ先 03-3351-1131

 マイオピン(Myopine)の特徴 近視進行抑制が大切な理由、マイオピンが選ばれる理由とは? マイオピンは安全ですか?

入手経路等  シンガポール製当院個人輸入(日本での薬機法の承認はありません。)

 マイオピン(Myopine)パンフレット_

 子供の視力 近視治療(本HP内)

 

明細書について

当院は療担規則に則り明細書については無償で交付いたします。

一般名での処方について

後発医薬品があるお薬については、患者様へご説明の上、商品名ではなく一般名(有効成分の名称)で処方する場合がございます。

医療情報の活用について
当院は質の高い診療を実施するため、オンライン資格確認等から取得する情報を活用して診療をおこなっています。

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